鴨長明×鴨だしそば|日清のどん兵衛
概要
2016年どん兵衛40周年と鴨長明没後800年の時空を超えたコラボレーション企画の一つ。鴨長明人形が麺が茹で上がるまでの間、方丈記を朗読。朗読開始後の3分または4分後に「鴨の、超うめえぇぇぇぇ!」と叫ぶと同時に服がはだけて茹で上がりの時間を教えてくれる。応募抽選1名にプレゼント。ユニバは鴨長明タイマー人形の内部製作を担当。
製作:機構部
製作の内訳として機構部と制御部に分けられます。機構部に求められる要件として、電気的制御によって首が倒れると同時に服がはだける必要がありました。この二つ以上の機構を連動させるために一つのロック機構で制御しなければならず、すでに大きさと形状が決められた人形の内部にいかに組み込むかの検討に多くの時間を費やしました。ユニバにはレーザーカッターがあるため、MDFで機構部を切り出し、実際に組み上げて検証を行う作業を何度も行いました。服がはだける機構は二つの歯車の間にラックギアを挟むことによって肩が落ちると同時に服が開く仕組みになっています。機構部の素材は開発の段階ではMDFとアクリルを使用し、最終的に服の重さとはだけるときの衝撃に耐えられるようにアルミ素材を採用しています。アルミの加工はレーザー加工可能な業者さんにお願いしました。
製作:制御部
全体の制御にはmbedを使用しています。mbedはmicroSDカードから音声ファイルを読み込み、アナログ出力ポートを通じてアンプに音声を出力しています。人形には底部に3分と4分の切り替えスイッチが設けられており、設定した時間に応じてロックが外れる仕組みになっています。ロックを外すアクチュータにはサーボモーターを使用しました。ロックを外したあと自動で電源が切れる機能と、後ろに傾いた頭を元に戻したときにタイマーが始動する機能とサーボモーターの回転によって機構部がロックする機能を組み込んであります。
製作を終えて
製作にあたり歯車機構の採用やアルミ加工業者に依頼したりなど、多くの知見が得られました。製作過程が内装→外装ではなく、逆の場合は機構の制限を大きく受けるということも体験しました。美術と技術、異なる分野の組み合わせは新たな可能性を生み出せると信じています。今回、ユニバは技術面を担当し、鴨長明の外装は美術系の別会社が担当しました。ユニバ単体で「鴨の超うめぇ」を生み出すことは難しいでしょう。一方、他の分野の人々と上手に協力していくこともまた容易くありません。今回の製作においても、漠然と意識していた他者とのコミュニケーションの重要性と改善点を認識することができました。社内社外問わず、他の分野の人々と積極的に関わっていくことが、よりエキサイティングな創造への取り組みに繋がると考えています。
(文:Takahiro Yasui)