京都市京セラ美術館 京都賞デジタルサイネージ制作

2020.03

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概要

京都市京セラ美術館の大規模リニューアルに伴い新たに設置される、京都賞の紹介コンテンツのソフトウェア開発を担当しました。 このコンテンツでは、稲盛財団が主催する京都賞の受賞者について、そのプロフィールや業績、関連情報などを閲覧することができるようになっています。

コンテンツは3種類の展示の組み合わせで構成されていて、弊社ではその全てについてソフトウェアの開発を担当しました。それぞれの詳細は以下をご覧下さい。

 1.アイキャッチ ~石柱を覆ったデジタルサイネージの制御~

90年近く前に立てられた大理石の柱の周囲に、現代の技術でデジタルサイネージの演出を施しました。公開時点では、演出のアニメーションとともに京都賞受賞者のコメントが流れていきますが、このコンテンツは各種の告知などのため文言を自由に入れ替えられる管理機能も持っています。


 2.オーバービュー ~五面ディスプレイ連結コンテンツのシステムとUIの実装~

五枚のディスプレイを連結した大画面表示装置を利用し、受賞者自身の関連情報や受賞者相互の関連性などの多様な繋がりを、ダイナミックにビジュアライズするコンテンツです。


 3.ライブラリー ~受賞者詳細表示コンテンツのシステムとUI実装~

壁面に大型タッチパネルを内蔵したサイネージを四台設置し、それぞれのサイネージで受賞者の情報を詳細に調べたり、インタビューや講演、パフォーマンスなどの映像を見たりする事ができます。


上記3つのコンテンツは連動した作りになっており、一定のタイミングで同期して一斉に演出を切り替えることで、空間全体を印象づける演出となるよう企図しています。 もちろんそういった演出を行なう際も、インタラクティブコンテンツに対してユーザの操作が行われている最中であれば、なるたけユーザの意図を邪魔しないようバランスさせるべく注意を払いました。 また、弊社オフィスからは遠隔地での常設コンテンツとなるため、全てのシステムはスイッチ1つでの一斉起動/一斉終了が可能な作りになっており、日々の運用やメンテナンスにコストがかからないよう配慮がなされています。

コメント

五面ディスプレイの開発を担当しました。このコンテンツには「オーバービュー」という名前が付けられているのですが、名前が示す通り京都賞を受賞された方の概要が把握できることを目的として作られています。 画面にはテーマに応じた受賞者のアイコンと受賞者に関連するアイコンが複数浮遊しており、時間経過やタッチ操作によって受賞者と関連するアイコンのつながりを視覚的に知ることができるようになっています。

制作はUnityを使って実装してあります。Unity特有の画像の扱いや文字組みの難しさに苦労した点もありますが、TimelineやUniRxを取り入れたことによってステート管理やリアクティブ制御が容易に行うことができたように思います。 本案件の開発期間はユニバとしては長い部類に入るのですが、その分Unityにどっぷり浸かることができ、Unityの奥深さをより知る良い体験となりました。🌱

全コンテンツの制作にあたるテクニカルディレクションをお手伝いしました。 それぞれの役割や、各コンテンツを単体で取り出した時のそれぞれの振舞いを定めたり、今回のコンテンツを特色づける、全てのコンテンツが連動した時の振舞いを実装の観点から細かい仕様に落としたりというところで、今回は考える事の多い仕事でした。

お客様や、関係する各社の皆様方が熱意に溢れている環境だったため、大変仕事がやりやすく、感謝の念に堪えません。 遠隔地での仕事も多かったために、移動や出張生活に少し難儀をしましたが、今となってはよい思い出です。

美術館で動くシステムを作ると言うとても素晴らしい話をいただき、やりがいがある仕事でした。 何より京都で仕事にいけた。これがまず嬉しかった。 今回は、スケジュールとも調整しながら技術選択を Web 技術を利用して作りました。 私は主に信号を受け取って演出の切り替える部分などを作成しました。いわゆるベース部分というやつです。 テンプレートには Vue を利用しています。 Vue を利用することで楽がある程度できる中で、 Vue にどっぷりかというと私がビビってしまって、データの取り回しや、信号受信の部分はかなり素朴に作っています。 もし、Nuxt の機能を利用してより簡単に実装できたとしたら、世の中いい時代になったなと思えるところです。 今回得れた知見としては、同じスペックのマシンを同じプログラムを走らせるとよくシンクロするということです。 当たり前に思えることかと思いますが、実際のモノを見ていただければわかりますが、よくシンクロされた動きが見れます。 別々のパソコンで動いているというのですから、いい時代になったんだなと感慨深いですね。 京都は飯もうまいし、コワーキングスペースにお邪魔させてもらいながら現地で作業したりしたのですが、これも最高。 もう住みたい。

Uniba works

Uniba works

2017

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